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2012.8.12
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  高慢になって滅んだ王 

 

 

『集まった人々は、「これは神の声だ、人間の声ではない」と
叫びつづけた。するとたちまち、主の使いが彼を打った。神に
栄光を帰することをしなかったからである。彼は虫にかまれて
息が絶えてしまった』。       (使徒行伝12章23節)

 このところはヘロデ王が高慢になったために滅んだところです。
この王は三十年余り前のイエスがベツレヘムで誕生したときに登
場した王ではなく、その孫でヘロデ・アンテパスという人です。
彼は獰猛な王でイエスの弟子であるヤコブを剣で殺した人でした。
また前回にもお話したペテロも捕えて処刑しようとしましたが、
御使いが彼を救出したのでことなきをえました。

 このヘロデのところにツロとシドンの人たちが来たのです。彼ら
は王から食料援助を得ていましたが、なにかの手違いで王の怒りに
触れて援助を打ち切られそうになったので、王の侍従官にとりなし
を依頼しにきたのです。そこでヘロデ王は気を良くして王座に座っ
て彼らに向かって演説をしたとき、ツロとシドンの人たちは「これ
は神の声だ、人間の声ではない」と叫び続けました。そして王が
いい気持ちになって、なおも語り続けているときに、「主の使いが
彼を打った」ので王は死んでしまいました。そして聖書には「虫に
かまれて息が絶えてしまった」とありますが「神に栄光を帰すこと
をしなかった」からです。

 その点、パウロは違います。14章にパウロが第一回伝道旅行の
ときにルステラで足の不自由な人を奇跡的に癒されたことがありま
した。するとこれを見た町の人々は「神々が人間の姿をとって、わ
たしたちのところにお下りになった」と叫んで彼らの前に犠牲をさ
さげようとしたとき、パウロは群衆の中に飛び込んで行って、「な
ぜこんな事をするのか、わたしたちとても、あなたがたと同じ人間
である…」と言って、彼らを押し止めたのです。つまり自分たちが
神として崇められようとしたとき、必死になって止めたのは彼らが
神を恐れ敬う人だったからです。

 ペテロ前書5章5節に『神は高ぶる者をしりぞけ、へりくだる者に
恵みを賜う』とあります。

 オリンピックのニュースを見ていると、メダルを取った人のイン
タビューで、どの選手は異口同音に「このメダルを取れたのは、多
くの人たちの応援があったからです」と答えているのを聞いてとて
も好感がもてました。彼らもこのために長い間、精進をしてきたの
に決して自分だけの手柄にしていないからです。

 詩篇29篇1節に『神の子らよ、主に帰せよ。栄光と力とを主に帰
せよ。御名の栄光を主に帰せよ』とあります。わたしたちクリスチ
ャンはどんなときにも一切の栄光を主に帰していくなら間違いはあ
りませんが、それを自分の手柄にしたり、誇り高ぶるから間違いが
起きるのです。

 話が変わりますが、8月15日は第67回目の終戦記念日です。そこ
で今日は日本の戦争について少しお話をします。今から百年ほど前、
1904年(明治37年)~1905年(明治38年)まで日本は帝政ロシヤ
(後のソ連)と、満州と朝鮮の制覇を争って戦争をしました。これ
を『日露戦争』と言います。ところが世界中が日本の勝利を信じる
ものはありませんでした。それは世界地図を開けば分かるように、
領土の大きさからしても全く比べ物にならず、まるで巨象に小犬が
吠えているようにしか見えません。ところ旅順攻囲、奉天大会戦、
日本海海戦で勝利をしたのです。

 わたしが少年のころ、父の書斎から「明治大帝」という本を見
つけて読んだことがあります。これは日露戦争に従軍した軍人た
ちの回顧録でしたが、読んでいて気がついたことは、どの軍人も
最後には必ず、「この勝利は天佑であった」と結んで終わってい
るのです。わたしはまだ「天佑」(てんゆう)という意味を知り
ませんでしたので辞書を開いてみると「神の佑け(たすけ)」と
ありました。この軍人たちの謙虚な態度に教えられました。

 ところが、この日露戦争に勝利したことが、後の日本にとって
果たしてよかったのか。後の世代の軍人たちが、日本人は大国で
ある帝政ロシヤに勝ったのだ。日本人には「大和魂」があるから
と奢り高ぶり、中国大陸に侵攻したり、満州国を建国して日本の
傀儡政権を樹立したり、当時イギリス、フランス、オランダの植
民地である東南アジヤの国々を解放して「大東亜共栄圏」を建設
しようとしたり、また「八紘一宇」というスローガンのもとに侵
略の野望を繰り広げていったのです。この「八紘一宇」とは世界
を一つの屋根の下に集めるという意味で、この屋根の頂点に立つ
のは日本のことでした。そしてこれは日本の海外進出を正当化す
るために用いられたスローガンとなったのです。

 そして、1914年(昭和16年)に太平洋艦隊はハワイの真珠湾
を奇襲攻撃をして日米開戦の火蓋を切りましたが、1945年(昭
和20年)に日本は連合国に無条件降伏をしました。その結果、
封建主義であった日本は民主主義国家へと生まれ変わったのです。

 箴言16章18節に『高ぶりは滅びにさきだち、誇る心は倒れに
さきだつ』とあります。また18章12節には『人の心の高ぶりは、
滅びにさきだつ』とあります。クリスチャンはどんなときにも
謙遜でなければなりません。どんなに人に褒められても遜って、
神に栄光を帰すのがクリスチャンです。
                      
                     (Aug,12,2012)