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2018年4月1日

復活の信仰  

 

『さて、安息日が終って、週の初めの日の明け方に、マグダラのマリヤとほかのマリヤとが、墓を見にきた。すると、大きな地震が起った。それは主の使が天から下って、そこにきて石をわきにころがし、その上にすわったからである。その姿はいなずまのように輝き、その衣は雪のように真白であった。見張りをしていた人たちは、恐ろしさの余り、震えあがって、死人のようになった。この御使は女たちにむかって言った、「恐れることはない。あなたがたが十字架におかかりになったイエスを捜していることは、わたしにわかっているが、もうここにはおられない。かねて言われたとおりに、よみがえられたのである」』。(マタイ福音書281節)

 

 

  金曜日にローマ帝国からエルサレムに派遣されていた総督ピラトの裁判を受けられたイエスは、死刑の判決をうけて、エルサレム郊外のゴルゴダの丘で十字架にかけられました。そして午後三時に息を引き取られたのです。そこでアリマタヤのヨセフが遺体を引き取り、自分のために用意してた墓に葬りました。

 

 三日目の日曜日の朝、女性たちがこの墓に詣でたところが、墓の石は転がされて、もぬけの殻でした。女性たちが当惑していると、そこへ天使が現れ、「もうここにおられない、よみがえられた」と伝えました。この出来事に驚いているところに復活されたイエスが現れたので、彼らは初めてイエスの復活を信ずることができました。このときに「弟子たちは、主を見て喜んだ」とあります。弟子たちの不安、悲しみから、喜びに変えられたのです。

 

 さて、キリスト教の福音は十字架と復活です。そして十字架は、ただイエスが十字架にかかって死なれただけでなく、わたしたちの罪を赦すための、身代わりの十字架でした。ですから、「イエスがわたしたちの罪の身代わりになって死んでくださった」と信ずる者は罪を赦されるのです。

 

 次に復活はイエスがサタンの力に打ち勝たれて、墓から復活されたのです。それだけではなく、わたしたちも、やがて復活するという約束が成就したのです。ヨハネ福音書1125節に『わたしはよみがえりであり、命である。わたしを信ずる者は、たとい死んでも生きる』とあります。つまり、イエスのご再臨のとき、わたしたちは墓から復活し、天に携挙されるということです。

 

 宗教に熱心な人が、人間はなにか宗教をもたなければと、いろいろな宗教を研究した結果、「キリスト教には復活がある」と言ってキリスト教に入信した人がありました。また、僧侶が人生に生き詰まり、何かに救いを求めていたとき、キリスト教に出会い、そこに復活の信仰があることを知り、僧籍を離れてクリスチャンになりました。その上、神学校に入って勉強し牧師になった人があります。

 

 復活の信仰は、生きる希望と勇気を与えられるだけではなく、死に対する恐れを取り除くのです。ヘブル書215節に『それは、死の力を持つ者、すなわち悪魔を、ご自分の死によって滅ぼし、死の恐怖のために一生涯、奴隷となっていた者を、解き放つためである』とあります。

 

 人間は誰しも死を恐れます。それは死後の神の審判を恐れているのです。しかし、イエスは十字架によって、わたしたちの罪を贖ってくださったので、イエスを信じる者は死を恐れません。

ヘブル書927節に、『一度だけ死ぬことと、死んだ後にさばきを受けることとが、人間に定まっている』とありますが、この世に生を受けた人は必ず死にます。これは百パーセントの確率です。それと同時に神の審きの時があるから恐れるのです。しかし、イエスを信じて罪が贖われた者は審かれません。イエスの贖いを信じて洗礼を受けた者は、その瞬間にそれまでの過去の罪は消されて白紙になるのです。

 

 イザヤ書118節に「たといあなたがたの罪は緋のようであっても、雪のように白くなるのだ。紅のように赤くても、羊の毛のようになるのだ」とあります。緋のように洗っていても簡単に落ちないような罪でも、イエスの十字架の贖いによって、雪のように真白くなる。つまり、罪が全く消されて、罪がないものとされるのです。これが十字架による贖いです。ですから罪が贖われたわたしたちは、何も恐れないでキリストの審判の座に立つことができるのです。

 

 旧約聖書にエノクという人が登場します。彼は「三百年、神と共に歩んだ」とあります。そのために彼は「死んだ」と書かれないで、「いなくなった」と書かれています。

それは、あまりにも潔い人生だったので、死を経験しないで天に携挙されたからです。

彼は、65歳のときに神の審判の時があることを知ったので、生まれた子供にメトセラという名前を付けました。これは、「死んだら審かれる」という意味です。このことを知ったので彼は神を畏れ敬い、神と共に歩んだのです。(2018.4.1