本文へスキップ

message

2019年7月7日

神を欺くことはできない

 

 

『アナニヤという人とその妻サッピラは共に資産を売ったが、共謀して、その代金をごまかし、一部だけを持ってきて、使徒たちの足もとに置いた』。(使徒行伝51節)

 

 

 このところは、アナニヤとサッピラという夫婦が、神を欺いて命を落とした事件です。

ペンテコステの日に一同が聖霊に満たされた結果、自分たちの持ち物を持ってきて共同生活を始めました。ところが、バルナバは自分の畑を売って、その代金を使徒たちの前に置いた(献金した)のです。彼は後にアンテオケの街で伝道し、街の人たちから「あの人たちはクリスチャン」だと言われるほど、恵まれた教会になりました。

 

 それを見たアナニヤとサッピラは、自分たちも資産を売って金をつくり、その一部だけを持ってきて献金し、さも全部を献げたようなふりをしたのです。何故そんなことをしたのでしょうか、それは「あの人たちは素晴らしい」と、人から思われたいという虚栄心だったのです。虚栄心とは、自分を実際より良く見せようという心で、クリスチャンがいちばん気をつけなければならないことです。

 

 そこで使徒たちから、「どうして、こんなことをする気になったのか。あなたは人を欺いたのではなく、神を欺いたのだ」と言われたとき、アナニヤは倒れて息が絶えて死んでしまったのです。ガラテヤ書67節に「間違ってはならない。神は侮られるようなかたではない」とあります。人を欺いても、神を欺くことは絶対にしてはならないことです。何故なら、最後の審判のときに、凡てが明らかになるのです。

 

19726月にアメリカでウォーターゲイト事件が起こりました。これは当時の大統領ニクソンの盗聴事件です。大統領は初めは絶対に盗聴をしていないと否認していましたが、調べを進めている間に盗聴の事実が明るみに出されたのです。そして、「大統領が嘘をついた」と弾劾されて、大統領は任期半ばで解任に追い込まれたのです。

 

 なぜ、嘘をついただけで辞任しなければならなかったのですか。アメリカは根底にキリスト教の文化をもつ国です。ですから嘘はゆるされないのです。その点、日本はどうですか。「記憶にありません」「それは秘書がしたことです」「嘘も方便」で通る世界です

 

 日本でもこんな事件がありましたね。ある有名な老舗料理店で、プリンの賞味期限の改ざん事件が起りました。続いて牛肉の産地偽装が発覚したり、きわめつけは、お客の食べ残した料理を使いまわしたと内部告発されて、長い歴史と信用を失い閉店してしまいました。

 

キリスト教の神髄は、「神は隠れたところを見ておられる神」です。ですから、クリスチャンには裏表がないのです。ところが日本人は、このような神観がありませんので、人がみているところでは真面目にしますが、だれも見ていないところでは悪い事をしても平気なのです。よくお母さん子どもに「人が見ているからやめなさい」と言ったりしている光景をみますが、これではいい子どもが育つはずがありません。

 

 あるクリスチャンホームに二人の子どもがいました。上の子は小学生に入ったばかりで、下の子は学齢期前でした。いつも仲良く遊んでいましたが、ある時、お兄ちゃんがプラモデルの飛行機を買って組み立て、部屋のなかを遊んでいました。それを見て弟は自分も遊びたくて「ぼくも貸してくれ」と言いましたが、兄は「これはぼくの宝物だからだめだ」と言って貸してくれません。

 

 ある日、兄が学校に行っている間にそれを持ち出して遊んでいたところが、壊してしまったのです。そこで、そっと元のところにしまい込みました。やがて兄が学校から帰ってきて、そのプラモデルで遊ぼうとしましたら、壊れてしまっていたので、これはきっと弟が壊したに違いないと、「これはお前が壊したのだな」と問い詰めましたが、弟は「僕はしらない」と言うばかりでした。

 

 そこで兄は、「神様の前でも、ほんとうにしらないと言えるか」と言われたときに、弟は「兄ちゃんごめん」と白状して謝ったのです。この子どもたちは、小さいときから教会学校に行っており、神は隠れたことを見ておられる、ということを教えられていたから、兄を騙すことができても、神を騙すことは出来ない、と白状したのです。

 

 伝道の書121節に「あなたの若い日に、あなたの造り主(創造主の神)を覚えよ」とありますが、小さい時から教会学校に来て神様を信じる信仰をもつなら、それが人生の大きなバックボーン(背骨、または精神的支えとなる経験や思想-広辞苑)となり、しあわせな人生を送ることができるのです。(2019.7.7