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2021年7月11日礼拝説教要旨

   初代教会の最初の奇跡

『ペテロが言った、「金銀はわたしには無い。しかし、わたしにあるものをあげよう。ナザレ人イエス・キリストの名によって歩きなさい」。 こう言って彼の右手を取って起してやると、足と、くるぶしとが、立ちどころに強くなって、躍りあがって立ち、歩き出した。そして、歩き回ったり踊ったりして神をさんびしながら、彼らと共に宮にはいって行った。』 
                                         (使徒行伝3章6節)

これは初代教会で起こった最初の奇跡です。ぺデロとヨハネとが午後3時の祈りのときに宮に上ろうとしていると、宮の「美しの門」で施しを請うていた、生まれながら足のきかない男を見つけましたので、ペテロが「金銀はわたしにはない。ナザレ人イエス・キリストの名によって歩きなさい」と言って、彼の右手を取って起こしやると、足とくるぶしとが立ちどころに強くなって歩きだしのです。2章43節に「多くの奇跡としるしとが、使徒たちによって次々に行われた」とありますが、これこそ初代教会の最初の奇跡だったのです。

何故このような奇跡が起こったのでしょうか。それは弟子たちが聖霊に満たされたからです。そして「ナザレ人イエス・キリストの名」によって祈ったからです。「今日はイエスの時代のような奇跡は起こらない」と言った人がいましたが、それは奇跡が起きるような信仰がないためです。今でも、信仰のあるところでは、神は奇跡を起こしてくださいます。

柘植不知人先生が広島県の呉で聖会をしておられたとき、先生の弟子が町の通りで物乞いをしていた男を連れてきました。この人も足が不自由な人でした。そこで先生がこの人の頭に手をおいて祈ったところ、何とその人の足が癒されたのです。まさしく使徒行伝3章と同じ奇跡が起こったのです。その話は、その男の人を集会に連れてきた人にききました。

マタイ福音書9章20節に12年間も病気のために苦しんできた女性が登場します。彼女は医薬のためにお金を使い果たしましたが、病気は一向に改善する気配はなく「あとはイエスのご慈悲に鎚るほか救われる道はない」と、イエスのところにきましたが、その人の回りには大勢の人が取り囲み、なかなか近寄れませんでした。そして、やっとの思いで近づいても、大勢の人の前で「わたしのこれこれの病気を癒してください」とは恥ずかしくて言えません。そこで彼女は「イエスのみ衣のふさにでも触れば癒されるに違いない」と信じて、人々の間から手を伸ばしてふさに触りました。すると奇跡が起こったのです。十二年間も苦しんできた病気が癒されたのです。これは彼女が信じて触れたからです。皆さんも信じて神の前に出て、信じてご臨在に近づいてください。

『わが臨在、汝を癒せり』とあります。


 子供の頃から教会に来ていた娘さんが大学を卒業して教員として、長野県の最南端の村の教員として遣わせて行きました。ところが、ある日の授業中に教壇の上で倒れてしまいました。名古屋の名大病院の脳神経外科で「脳腫」の手術を受けましたが、医師からは「もう一度手術をしなければならないが、下手をするとこれが最後になる危険があるから、会わす人があれば今のうちに会わしておいたほうがいい」という言葉でした。

そこで、わたしも名古屋の病院に駆けつけましたが、頭は包帯で巻かれ、本人は苦しくて着ているものをはぎ取ろうともがき、若い娘さんのあられもない姿を見て心をいためました。それでも、わたしが来たことが分かり喜んでくれました。

そして、「先生、ありがとうございます」と言おうとするのですが、言語障害のためになかなか言葉が出ず、その「せ」という言葉を言うのさえ長い間がいるのです。そこで「あなたの言いたいことは分かった」と止めて、頭に手を置くことはできませんので手握って祈りました

祈り終わって、いつも大学の聖書研究会で、テーマソングのようにして歌っていた。讃美歌312番「いつくしみふかき、ともなるイエスは…」を最後の餞(はなむけ)のつもりで歌いました。すると奇跡が起こったのです。なんと彼女も一緒に歌いだしたのです。言語障害のために「せ」という言葉もなかなか言えなかった人が、しかも最後まで完全に歌いきったのです。付き添っていた両親が「延子が歌った」と大騒ぎになりました。奇跡が彼女に起こったのです。

このときから、どんどんと回復し二度目の手術をしないで退院をしたのです。そしてリハビリ(機能回復訓練)をして、すっかり回復していきました。そして東京に出て職業訓練を受けて自活の道を立て、その後、良縁に恵まれて結婚をし、子供まで与えられました。これはわたしの神癒の信仰の土台となりました。

 

                        2021年7月11日 聖日礼拝要約旨集 坊向輝國