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イエスに出会ったザアカイ
『ザアカイは立って、主に言った、「主よ、わたしは誓って自分の財産の半分を貧民に施します。また、もしだれかから不正な取立てをしていましたら、それを四倍にして返します」。イエスは彼に言われた「きょう、救がこの家にきた。この人もアブラハムの子なのだから。人の子がきたのは、失われたものを尋ね出して救うためである」』。（ルカ福音書19章8節～10節）
今日は取税人ザアカイが、イエスに出会って生まれ変わったところを話しますが、その前に、今、ワーシップで歌ったアメイジング・グレース（驚くばかりの恵み）の作曲者ジョンニュートンについて少し話します。彼は奴隷船の船長で、奴隷をアフリカからアメリカに運ぶ仕事をしていました。しかし、その性格は残酷無比で、仲間の部下からも恐れられるほどの人でした。
ところが、あるとき大西洋上で激しい暴風に遭遇して、船は転覆しそうになりました。そのとき、彼は船室で母の形見の聖書を握って、「神様、助けてください～」と叫んでいました。そんなことが動機で彼はクリスチャンになり、自分のような者が救われたのは神の恵みだと、この歌を作ったのです。そして、この歌は有名になり、今では一般の人でも、その経緯を知らないで歌っています。
さて、キリスト教は「生まれ変わりの宗教」と言われ、どんな人でも信じれば生まれ変わることができるのです。コリント後書５章１７節にも『だれでもキリストにあるならば、その人は新しく造られた者である』とあります。
さて、今日の人物であるザアカイはエリコの町の取税人の頭でした。この当時イスラエルはローマ帝国の支配下にあり、イスラエルの国民から直接税金を取り立てると国民から反感を受けるから、ユダヤ人に取り立てをさせていたのです。しかも彼らは過酷な取り立てをして私腹を肥やしていたので、皆から嫌われていたのです。その町にイエスが来られたので、町の人たちは総出で迎えました。そしてザアカイも一目イエスを見たいと思いましたが、沿道は人であふれ、ザアカイが見る余地もありませんでした。それにザアカイは少し背が低かったので、人たちの肩越しにも見ることができませんでした。
そこで彼は沿道のいちじくの桑の木に上り、葉の間に身を隠しました。やがてイエスが沿道の人々の歓迎の声に迎えられてザアカイの隠れている桑の木の下まできましたら、イエスは目を上げて言われたのです。「ザアカイよ、急いで下りてきなさい」。彼は驚きました。イエスはザアカイの名前を知っておられたのです。そして「きょう、あなたの家に泊まることにしているから」と言われました。そこでザアカイは急ぎ帰ってイエスを迎えました。このとき、エリコの町の人たちはイエスに躓きました。なぜなら、この町にはもっと立派な人がいるのに、よりによって、ザアカイのところに来るなんて。しかし、イエスがザアカイのイエスを迎えて食事をしているときに、ザアカイは突然立ち上がって言いました。「主よ、誓って自分の財産の半分を貧民に施します。また、もしだれかから、不正な取立てをしていましたら、それを四倍にして返します」と。これは驚くことでした。そんなことをしたら、彼の財産がいくらあってもたまりません。イエスに節している間に彼は愛の人に変えられたのです。そしてザアカイは誓ったとおりにしたので、町の人たちから、「ザアカイは変わった」と言って喜ばれました。
９節『イエスは彼に言われた、「きょう、救いがこの家にきた。…人の子（イエス・キリスト）がきたのは、失われた者を尋ね出して救うためである」』。イエスの来臨の目的は、罪人を救い、生まれ変わらせるためだったのです。
最後に、ピレモン書を開きましょう。１１節に『捕われの身で産んだわたしの子オネシモについて、あなたにお願いする。彼は以前は、あなたにとって無益な者であったが、今は、あなたにも、わたしにも、有益な者になった。彼をあなたのもとに送りかえす。彼はわたしの心である。わたしは彼を身近に引きとめておいて、わたしが福音のために捕われている間、あなたのに代って仕えてもらいたかったのである』。
このピレモン書は、パウロがピレモンに対して書き送った個人的書簡です。これを書き送った動機は、ピレモンのところにいたオネシモという奴隷が、ローマに逃げ出してきたのです。そこでパウロに出会って彼は悔い改めて救われました。そしてパウロのために献身的に仕えたのです。でも彼はピレモンの奴隷ですから、主人のもとに送り返すことにしました。そこで、そのときにオネシモに持たした書簡がピレモン書です。この書簡のなかに、パウロは「彼（オネシモ）は以前には、あなたにとっても（有害）無益なものであったが、（生まれ変わった）今は、あなたにも、わたしにも有益なものとなった」と言っています。彼が救われて生まれ変わったからです。（2017.10.15）
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