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2011.8.14
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   平和をつくりだす人

 

『平和をつくり出す人たちは、さいわいである、彼らは神の子と
呼ばれるであろう』。        (マタイ福音書5章9節)

 

明日は66回目の終戦記念日になります。そこで今日は『平和』
について考えようと思います。ローマ書12章18節に『あなたが
たは、できる限りすべての人と平和に過ごしなさい』とありますが、
人類が仲良く平和であることが神の願いであります。それだのに人
類は何故争うのでしょうか。

 

ある歴史学者の研究によると、「人類の歴史は戦争の歴史だった。
数千年の歴史の中で四分の三は地球上のどこかで戦争、紛争があっ
た」と発表をしています。また、ある人は「過去二千五百年間で九
百二回の戦争があり、千五百十六回の内乱があった。それも20世
紀に入ると8倍になった」と報告をしています。そして、今も地球
上のどこかで戦争、紛争が絶えないのです。

 

「獰猛な肉食動物でさえも必要以上の殺戮はしない」と言われる
のに、最も平和を愛さなければならない人間が、何故このような争
いをするのでしょうか。それは人間が罪人だからです。ローマ書3
章17節に『彼らは平和の道を知らない。彼らの目の前には、神に
対する恐れがない』とあります。神の前に悔い改めて神と和解をし
なければ平和な人とはなれません。

 

神は『平和の神』です。そして平和を愛する者を祝福してくださ
るのです。旧約聖書にソロモン王という人物が登場します。彼はダ
ビデ王の息子で、この時代は『ソロモンの栄華』と言われたほど非
常に繁栄をした時代でした。彼は外国貿易で莫大な富を得、その資
金で建築事業に没頭したのです。エルサレムの神殿建設に7年間、
また王宮建設のために13年間、合計20年間も建築事業に没頭で
きたのは、莫大な財力に恵まれていたのは言うまでもなく、『四方
に太平を賜ったから』と書いてあります。つまり近隣の諸国と平和
だったからです。

 

日本の戦後の繁栄は、終戦後、直ぐに新憲法で戦争放棄をしてそ
の叡知を平和産業のために貢献をしてきたからです。「メイド イン 
ジャパン」と言えば、昔は「安かろう悪かろう」と言われて粗悪品
の代名詞でしたが、今は高級品のブランド名です。そして世界中の
人々が日本製品を争って買っているのです。これも戦争を放棄して
平和を守ってきた神の祝福です。それなのに、『憲法改正』『自衛
隊の海外派遣』などの論議が起こりつつあり心配なことです。

 

戦後、日本円の価値が1ドル360円と連合軍総司令部(GHQ
によって決められました。ところが1978年の竹下内閣のときに
為替相場の自由変動制が導入され、1ドルが200円となり、日本
の経済力の高騰にしたがい日本円の貨幣価値がどんどんと円高にな
りました。そして1993年には1ドルが100円まで高騰したの
です。そして昨今は1ドルが76円にまでなりました。これは円高
というよりもドル安と言ったほうが妥当だと思います。

 

そして最近のニュースではアメリカのある格付会社がアメリカ国
債の格付を従来のトリプルAAAA)からダブルA+(AA+)にま
でワンランク格下げをしたという発表がありました。

 

因みに日本の格付けはダブルAAAA)だそうです。これは民間
会社の発表だから気にすることはないとオバマ大統領は演説をして
いましたが、この影響は深刻な問題となっています。それは日本も
中国も沢山のアメリカの国債を保有しているからです。

 

経済的繁栄を誇ったアメリカがこんな状態に落ちぶれてしまった
のは何故でしょうか。太平洋戦争に勝利をしたものの、それから5
年後には朝鮮戦争に国連軍として出兵しましたが、休戦状態で終わ
り、「勝利なき戦争」でした。

 

またベトナムのフランスの植民地からの独立戦争に立ちあがった
ホーチミンの率いる共産軍の南下政策をくい止めるためにフランス
に代わってアメリカが参戦しましたが、北のホーチミン軍の力に圧
倒されてサイゴンも陥落し、アメリカ軍の撤退を余儀なくされたの
です。これもアメリカにとっては勝利なき戦いでした。そしてまた
1990年にはイラクがクウェートを侵略をしたということでイラ
クに出兵したのが『湾岸戦争』で、皆様の記憶にも新しいことです。
ここでは久しぶりにアメリカは勝利をしたのですが、その後も引く
に引けぬ状態で、アフガンに出兵しテロとの戦いが継続されている
のです。このように終わりなき戦争のためにアメリカの国力は極度
に低下して、アメリカ国債のランクが格下げされるような状況とな
ったのです。

 

神は平和の神です。平和を守るものを愛し祝福をなさいますが、
争うものには祝福がありません。わたしたちクリスチャンは『でき
る限り、すべての人と平和に過ごしなさい』とありますように、あ
らゆる努力をして平和を守るものでありたいものです。ガラテヤ書
5章22節には『御霊の実は、愛、喜び、平和…』とありますが、
この平和は神から与えられる御霊の力なのです。ですから、わたし
たちも御霊の力に満たされて平和なクリスチャンになりたいもので
す。平和は国家間の平和であるばかりでなく、人間関係の平和であ
ります。

 

終戦記念日にわたしたちも、もういちど平和の尊さを考えてみた
いと思います。『平和をつくり出す人たちは、さいわいである。彼
らは神の子と呼ばれるであろう』。         (Aug,14,2011