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2011.9.25
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   み言葉をたくわえる

 

『若い人はどうしておのが道を清く保つことができるでしょうか。
み言葉にしたがって、それを守るよりほかにありません。…わた
しはあなたにむかって罪を犯すことのないように、心のうちにみ
言葉をたくわえました』。       (詩篇119911節)

 

今日は『聖書のみ言葉の力』について話します。聖書の言葉は
わたしたちの心を清く保つだけではなく、罪の誘惑に打ち勝つ力
を与えてくれるのです。ですから、日頃から聖書のみ言葉に親し
んでゆくことが大切です。

 

柘植先生は『千のみ言葉は千人力、百のみ言葉は百人力』と言
われましたが、これは聖書のみ言葉を千信じて自分のものにした
ら、その人は千人力の力があると言うのです。またアメリカの有
名な伝道者であるムーディーは、「み言葉に満たされることは、
また御霊に満たされることである」と言われました。これほどみ
言葉に満たされることはわたしたちクリスチャンが恵まれた信仰
生活を送るために大切な要素なのです。ですから、日頃からみ言
葉を学んで、み言葉に立脚した人生をおくりたいものです。

 

マタイ福音書4章にイエスがサタンの誘惑に遭われた記事があ
ります。これはイエスが公生涯に入られる前に40日間断食をし
て祈られた後のことでした。サタンがきてイエスに対して三つ
の誘惑をしてきました。その一つは、「もしあなたが神の子で
あるなら、これらの石がパンになるように命じてごらんなさい」
と言う誘惑でした。このときイエスは『人はパンだけで生きる
ものではなく、神の口から出る一つ一つの言葉で生きるもので
ある』と答えてサタンの誘惑に勝たれたのです。

 

次に、サタンはイエスを聖なる都に連れて行き、宮の頂上に
立たせて、「もしあなたが神の子であるなら、下へ飛びおりて
ごらんなさい。『神はあなたのために御使たちにお命じになる
と、あなたの足が石に打ちつけられないように、彼らはあなた
を手でささえるであろう』と書いてありますから」。という、
神を試みるような誘惑でした。このときイエスは「『主なるあ
なたの神を試みてはならない』とまた書いてある」言ってサタ
ンの誘惑を退けたのです。

 

三つめの誘惑は、イエスを高い山に連れて行き、地上の栄華
を見せて、『もしあなたが、ひれ伏してわたしを拝むなら、こ
れらのものを皆あなたにあげましょう』という誘惑でした。こ
れはサタンの家来になると言うことです。イエスは『サタンよ、
退け。『主なるあなたの神を拝し、ただ神にのみ仕えよ』と書
いてある』。と言ってサタンの誘惑を退けたのです。

 

ここで注意したいのは、イエスが言われた三つの言葉の後に
は必ず『…とまた書いてある』とありますが、これはみな旧約
聖書の『申命記』にある言葉です。イエスもそうでしたがユダ
ヤ人はみな申命記が好きで、若いときからよく読んでいたそう
です。ですから、誘惑のときにとっさに申命記の言葉が口から
出てきたのです。わたしたちも普段から聖書を読んでみ言葉に
親しんでおれば、なにか問題や困難に出会ったとき、聖書のみ
言葉で励まされたり力づけられたりします。ですから日頃から
聖書に親しむことが恵まれたクリスチャン人生をおくるために
大切なことなのです。ヘブル4章12節に『神の言は生きていて、
力があり、もろ刃のつるぎよりも鋭くて、精神と霊魂と関節と
骨髄とを切り離すまでに刺しとおして、心の思いと志とを見分
けることができる』とあります。このようにみ言葉はサタンの
誘惑を打ち砕く力があるのです。

 

しかし、ここで注意したいのは、ときにはサタンもみ言葉を
つかって誘惑をしてくるということです。もういちどマタイ福
音書4章を見てください。5節『それから悪魔は、イエスを聖
なる都に連れて行き、宮の頂上に立たせて言った。「もしあな
たが神の子であるなら、下へ飛び降りてごらんなさい。『神は
あなたのために御使たちにお命じになると、あなたの足が石に
打ちつけられないように、彼らはあなたを手で支えるであろう」
と書いてありますから』と言って誘惑をしています。ここでサ
タンが持ち出した言葉は、実は詩篇9111節から12節の言葉
だったのです。つまりサタンも聖書の言葉を使うことがあると
言うことです。ですから、聖書の言葉を開いたからといって単
純に信用してはなりません。御霊の力によって、それが「神か
らのものか、サタンのものか」を見分ける力が与えられること
が大切なのです。

 

よくみなさんの家を聖書をもって訪問する団体の人たちがあ
ります。聖書を持っているからといってそれだけで信用しては
なりません。何故なら、イエスの誘惑のときサタンでさえも聖
書の言葉で誘惑をしてきたではありませんか。それよりも、そ
れが神からのものか、サタンのものか見分ける霊的力をもつこ
とが大切です。

 

最後に、コロサイ書316節『キリストの言葉を、あなたが
たの内に豊かに宿らせなさい』。とあります。この世は物質的
には繁栄していますが、道徳的には頽廃しており、火と硫黄で
滅ぼされたソドム、ゴモラのような乱れた状態です。このよう
な時代に生きるクリスチャンはサタンの誘惑に負けないで、清
い生活を送るためにはいつもみ言に養われることが大切です。
『御言葉にはあなたの魂を清める力がある』からです。

 

最後にもう一度、『わたしはあなたにむかって罪を犯すこと
のないように、心のうちにみ言葉をたくわえました』。  

 

                   (sep,25,2011