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2011.10.16
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      み こ と ば の ち か ら

 

『わが魂はあなたの救を慕って絶えいるばかりです。わたしは
み言葉によって望みをいだきます』。(詩篇119篇81節)

 

詩篇119篇は「み言葉の力」についてうたった詩篇です。そ
して前回お話しした9節に「若い人はどうしておのが道を清く保
つことができるでしょうか。み言葉にしたがって、それを守るよ
りほかにありません」とありました。また11節には「わたしは
あなたにむかって罪を犯すことのないように、心のうちにみ言葉
をたくわえました」とあります。つまりみ言葉は罪の力、サタン
の誘惑に打ち勝つ力なのです。ですから恵まれた、そして力強い
信仰生活を送るためには日々聖書に親しみ、み言葉に立脚した日
々を送ることが大切です。

さて、この81節ですが、『わが魂はあなたの救を慕って絶
えいるばかりです。わたしはみ言葉によって望みをいだきます』
とありますが、これは苦しみのどん底にあるとき、また絶望の淵
にあるとき、み言葉が生きる勇気と希望を与えられる、と言って
いるのです。だから、苦しいとき、悲しいとき、どん底にあると
き、聖書のみ言葉を開いて勇気を与えられたいものです。

 1年前の10月13日に世界中が興奮するような出来事が起こ
りました。そこで今日はその事件について話します。8月5日に
南米のチリのサンホセ炭鉱で落盤事故が起こり33名の炭鉱夫が、
地下700メートルに閉じ込められたのです。そして一時は絶望
視されましたが、33名全員の無事が確認され救出作業が行われ
ました。しかし、人間が脱出できるだけの穴を掘って救出するの
にはクリスマス頃まで(5ヵ月ほど)かかるのではないかと言わ
れていました。そんなに長い間、高温多湿の狭い空間の中で大丈
夫だろうかと心配をしていましたが、69日目(10月13日)
に特殊カプセルで一人ずつ奇跡的に救出されたのです。

わたしもテレビにかじりついてその救出劇をみましたが、助け
出された人たちはみんな元気でした。そして2ヵ月間も狭い坑道の
なかでパニックが起こらなかったのが不思議に思いました。ところ
が、ある書き物を見て一つの答えを得たのです。それはオマールと
いう年配の人が小型の新約聖書をもっていて、そのみ言葉を開いて、
「希望を捨てないように」と励ましたそうです。ですから彼はみん
なから「牧師さん」と呼ばれて慕われていたそうです。つまり81
篇のみ言葉のように、そのみ言葉によって希望が与えられたのです。

 

 今から16年前になりますが、わたしたちは阪神淡路大震災を
経験しました。そして数日後のはじめての日曜日に礼拝を守りまし
たが、まだバスも電車も動いておらず、来られたのは家から歩いて
来られる30名の方たちでした。教会にきてお互いの安否を確認し
て無事を喜んでいました。しかし礼拝堂のなかは天井が落ち、壁も
落ち、窓ガラスが破れて寒波が吹き込む寒い礼拝堂でした。

 

 そのとき、ひとりの人が来て「先生、み言葉をください。み言葉
で励ましてください」と言ってきたのを聞いて目が覚まされる思い
をしました。そのときに思い出したのがこの詩篇のみ言葉です。そ
れからわたしは日曜日毎に「希望のみ言葉」「慰めのみ言葉」を語
りました。

 そして教会員のみなさんも日曜日毎に出席者が多くなりました。
まだ電車もバスも動いていないのに、また家の中も片付いていない
のに、彼らは一生懸命に礼拝に来られたのです。それはみなさんが
み言葉に慰め、励ましを求めたからです。そして熱心に講壇から語
られるメッセージを聞いておられました。 
 震災後に与えらえたみ言葉を書いておきます。

1月22日 ヘブル書12章28節

 『このように、わたしたちは震われない国を受けているの
    だから、感謝しようではないか』。

  1月29日 エレミヤ書29章11節

   『主は言われる、わたしがあなたがたに対していだいてい
     る計画はわたしが知っている。それは災いを与えようと
   
 いうのではなく、平安を与えようとするものであり、

あなたがたに将来を与え、希望を与えようとするもの

である』。

  2月5日 詩篇46篇1節

   『神はわれらの避け所また力である。悩める時のいと近

     き助けである』。

  2月12日 ヨブ記1章20節

   『「わたしは裸で母の胎を出た。また裸でかしこに帰ろ
    う。
主が与え、主が取られたのだ。主のみ名はほむべ
    きか
な」。
    すべてこの事においてヨブは罪を犯さず、また神
に向
    かって愚かなことを言わなかった』。

  2月19日 ヨブ記14章7節

   『木には望みがある。たとい切られてもまた芽をだし、

その若枝は絶えることがない。たといその根が地の中

に老い、その幹が土の中に枯れても、なお水の潤いに

あえば芽をふき、若木のように枝を出す』。

  2月26日 詩篇57篇1節

   『わたしの魂はあなたに寄り頼みます。滅びのあらしの
    過ぎ
去るまでは、あなたの翼の陰をわたしの避け所と
    しま
す』。

  3月5日 イザヤ45章22節

   『地の果なるもろもろの人よ、わたしを仰ぎのぞめ、そ

うすれば救われる。わたしは神であって、ほかに神は

ないからだ』

  3月12日 ピリピ書3章13節
   『後ろのものを忘れ、前のものに向かってからだを伸ば

     しつつ、目標を目指して走り、キリスト・イエスに
    いて上に召して下さる神の賞与を得ようと努めてい

     るのである』。

  3月19日 詩篇3篇3節

   『しかし主よ、あなたはわたしを囲む盾、わが栄え、わ
    たし
の頭を、もたげてくださるかたです。わたしが声
    をあげて
主に呼ばわると、主は聖なる山からわたしに
    答えられ
る』。

   3月26日 詩篇84篇1節

   『わが魂は絶えいるばかりに主の大庭を慕い、わが心と

    わが身は生ける神にむかって喜び歌います。すずめが

すみかを得、つばめがそのひなをいれる巣を得るよう

に、万軍の主、わが王、わが神よ、あなたの祭壇のか

たわらにわがすまいを得させてください』。

   4月2日 イザヤ書40章31節

   『しかし主を待ち望む者は新たなる力を得、わしのよう

に翼をはって、のぼることができる。走っても疲れる

ことなく、歩いても弱ることはない』。

 

Oct,16,2011