本文へスキップ
2010.11.7
                                                      戻る


  

 

ザアカイを変えたイエスの愛

 

『ザアカイは立って主に言った、「 主よ、わたしは誓って

自分の財産の半分を貧民に施します。また、もしだれかか

ら不正な取立てをしていましたら、それを四倍にして返し

ます」。イエスは彼に言われた、「きょう、救いがこの家に

きた。この人もアブラハムの子なのだから。人の子がきた

のは、失われたものを尋ね出して救うためである。」』。

               (ルカ福音書1910節)

 

 今日はザアカイの物語をとおして「どんな人でも生まれ変

わることができる」という話をします。さきほどワーシップ

でさんびをした『アメイジング・グレース』は世間一般の人

でもよく知られている歌です。そしてコンサートなどでも必

ずといっていいほどこの歌がうたわれます。またコマーシャル

BGMでも流されていますので、皆さんもよく耳にしている

はずです。ところが、これはさんび歌なのです。聖歌233

に『驚くばかりのめぐみなれや』とあります。このことを知

っている人は意外と少ない思います。

 

 この作者はジョン・ニュートンという人で、彼は奴隷船の

船長で残酷無比な人でしたので、奴隷だけでなく船員からも

恐れられていました。ところがある日、大西洋上で暴風雨に

遭遇して死の危険に直面したとき、彼は死を恐れて船室で

お母さんの形見の聖書を握りしめて、「神様、助けてくださ

い」と叫んだというのです。さいわい嵐もやみ一命を取り

とめましたが、この経験から彼は神に近づき、イエス・キリ

ストの十字架の贖いを信じて救われ、生まれ変わったのです。

そして、このような恵まれたさんび歌を作るような人に変え

られたのです。

 

 だれからも恐れられるような残酷無比の奴隷船の船長も

イエス・キリストを信じて生まれ変わったのです。コリント

後書517節に『だれでもキリストにあるならば、その人

は新しく造られた者である』とあります。イエス・キリスト

はわたしたちを新しく生まれ変わらせてくださるのです。

 

 さて、今日の登場人物であるザアカイという人もイエスに

出会って生まれ変わった人です。彼はエリコの町の取税人を

していましたが、あくどい取り立てをして莫大な財産を得て

も、彼の心の中には平安も満足もありませんでした。わたし

たちもどんなに経済的に豊かになってもそれだけでは決して

しあわせとは言えません。心が満たされてこそ、また心

に平安が与えられてはじめてしあわせといえるのです。

 

 このザアカイの住んでいた町にイエスが来られたので、

町中が大騒ぎをして沿道でイエスを迎えるために集まっ

ていました。ザアカイもイエスを一目見たいと家から出

て来ましたが、彼が背が低かったために人たちの肩ごし

に見ることができませんでした。そこで沿道にある桑の

樹に登って上から眺めていました。するとイエスが弟子

たちを連れて来られ、ザアカイの上っている樹の下で足

を止められました。そしてイエスは上を見上げて

「ザアカイよ、急いで下りてきなさい。きょう、あなた

の家にとまることにしているから」と言われて彼は驚き

ました。それはイエスが自分の名前を知っておられたこ

とと、イエスのほうから客人になると言われたからです。

そこでザアカイは急いで家に帰り、ありったけのご馳走
をしてイエスと一行を迎えました。

 

 ところが、その食事の席上で驚くことが起こったので

す。ザアカイが突然立ち上がり言ったのです。『主よ、わ

たしは誓って自分の財産の半分を貧民に施します。また

もしだれかから不正な取立てをしていましたら、それを

四倍にして返します』。これは驚くべき宣言でした。あれ

ほど財産を愛していた彼がどうしてこんなに変わったので

しょうか。そんなことをしたら彼は無一文になってしまい

ます。それはイエスの愛に触れたから、彼は愛の人に変え

られたのです。

 

 この出来事が、イエスがザアカイの家を尋ねたときに、

「なぜこの町でもいちばんの罪人であるザアカイのところ

を尋ねたか」と躓いていた人々にもイエスの行為の意味が

わかったのです。ザアカイが愛の人に変えられ、その宣言

のとおりに実行したので、町の人たちは「ザアカイが変わ

った」と喜びました。そしてイエスも『きょう、救いが

この家にきた』と言って喜ばれたのです。

 

 ザアカイをこのように生まれ変わらせた神は、今もわたし

たちを生まれ変わらせてくださるのです。ピレモン書11

に『彼は以前は、あなたにとって無益な者であったが、今は

あなたにも、わたしにも、有益な者になった』とあります。

これは使徒パウロに出会って生まれ変わったオネシモという人

のことを言っているのです。彼は働くことが嫌いな不良奴隷で、

主人のところを脱走したのですが、ローマでパウロに出会って

救われ、生まれ変わったのです。そしてパウロの伝道のために

働き手となりましたので、「無益な者が有益な者に変えられた」

と言ったのです。どんな人でもイエスを信じて生まれ変わらな

い人はありません。いや神の力はそのように働いてくださるの

です。極道の世界にいた人も救われて、いまは『ミッション

バラバ』と言ってイエス・キリストを伝道している人たちの

グループがあります。神の新生の力は素晴らしいですね。

皆様も神を信じて生まれ変わってください。 (Nov,07,2010